マジックアワーにようこそ ファンタジウム2巻レビュー | 日々だらくだるく

マジックアワーにようこそ ファンタジウム2巻レビュー

ファンタジウム 2 (2) (モーニングKC)/杉本 亜未
¥580
Amazon.co.jp
一つ目の本屋には無かった。二つ目の本屋には1冊だけ。なんか悲しかったコウです。
同じ雑誌の「不思議な少年」や「聖☆お兄さん」はどの本屋にも平積みされているって言うのに・・・これが格差社会か(違う)

というわけで雑誌の表紙で発売がアナウンスされているほどにもかかわらず、本屋に入る数が非常に少ないファンタジウムのお時間です。


あらすじ

天才少年マジシャンの長見良は難読症という生まれつきのハンデを負っていた。
そんな長見少年が一見普通の学校に通う事に。うまくいくわけが無いが果たしてどうなる?
スピリチュアルリーダーの出てくるテレビでビュー編も収録。


前号、まで載ってるんですね。仕事が速い。
みなさんにはぜひ1,2巻とも買って、ついでに掲載雑誌「モーニング2」も買ってほしいです(笑)あれはいい雑誌です。


1巻(こちらでレビューという名の無断転載しました )ではステキなマジックの時間を堪能できる、いい作品に仕上がっていました。
2巻の学校編では難読症の大変さを思い知る事が出来ます。

文字が読めない、書けないということはただ成績が悪くなるという事だけを意味しません。なんらかの特徴があることは即いじめに繋がる昨今の学校生活において、難読症で偏屈で類まれな手品の才能のある長見良は格好の標的です。
そんな環境を心を閉じて乗り切ってきた長見少年ですが、新たな学校生活は確実な変化を呼び込みます。
長見少年が心を開き、学校に意味を見つける物語。とくとごらんあれ!


と、自分はこのようなレビューしか出来ません。
杉本亜未先生の描く絵は単体では印象的なものが少ないのですが、各コマにある雰囲気の繋ぎ方や間の撮り方などが抜群にうまい。
また心理描写も半端無くうまいので、その面白さは間違いなくトップクラスです。
そして同時にレビューア泣かせな人です。どの画像を使用しても何の効果も生み出さないのでこの記事ではカットしました・・・1ページ丸まま載せるとかできません・・・
コマの流れや心理描写のうまさを文章で表現できるようになりたいです。この作品のためだけでも!

その心理描写も一度先に進んでから読むと、新たな発見があるから不思議。長見少年の偏屈な心理があたかもパズルのように少しずつ紐解かれていくさまはまさにマジック。

某オーラの人や例のずばり言う人などのテレビに出るスピリチュアルカウンセラーが、どのように心理を読むのかがほんのちょっぴりわかるテレビデビュー編も面白いです。


個人的なここ1年の大ヒット作「ファンタジウム」
皆さんもぜひご堪能ください!

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ついでに今号のレビューも

テレビデビューから新たな仕事が舞い込んだ。その仕事は本格マジック集団から舞い込んだもの。順風満帆にいくかと思いきや、競争が嫌いな長見少年に対し競争を共用するマジック集団。トップの「木戸零士」の問題も浮上。どうする?長見良!

競争を知らない人が競争の世界に置かれるとこうなるというのがありありとわかる代物。競争を否定する馬鹿親に見せたいです。


これを見てから単行本に戻るとまた発見があってすごい。本当にすごいというほか無いです。
すごいとしか表現できないこのもどかしさ。
本気でこの作品のためだけに文才が欲しい。欲しいです。