ドレシング | 日々だらくだるく

ドレシング

「ドレシング」

何度見てもドレシングである。
ふと立ち寄った店で明らかなる誤字を見つけてしまった。

この小さな「っ」
日本語の小文字の中で唯一、一音の音節を持つ「撥音」である。
この撥音というものはすべての言葉に存在しているわけではなく、それを持っていない言語を母語としているものにとっては非常に習得が困難であるらしい。

音が存在しないにもかかわらず、その文字はかなりの重要性を内包している。
「えち」では何のことか分からないし、
「すけち」では何故か変換できてしまうし、
「わんたち」では犬の大群になってしまう。
この場合ギリギリ伝わらなくもないが、伝わる人はそれなりにいい年であろう。

これではいけない。
教えようと思い店員を呼ぼうとしたところ、ふとあることが頭をよぎった。
口に出してみる。「ドレシングドレシング…」
やはりだ。
やはり「ドレシング」のほうが英語の発音に近いようだ。

英語で書くと「Dressing」、これは「飾る」という動詞を名詞化したものである。
「Dress」では撥音の要素は皆無だが、名詞化したところで生じた「re」と「si」の発音に親和性がないため「自然発生的」に撥音が加わっている。
だがこの撥音はなくても構わない。言いやすければいい、という程度に付け足されただけであり実際の発音でもかすかに生じるだけである。

であるからして、この表記は決して間違えているとはいえな

『お客様どうなさいました?あ、ここ間違えてますね!?教えていただきありがとうございます!!』



……


外来語ってめんどくせえなぁ!(めんどくさくしてるのは自分です)